かつての遊牧民にとって、絨毯は焦げつくような昼の暑さと凍りそうな夜の温度差から身を守るための生活必需品であった。遊牧民の知恵から生まれた絨毯は、やがて長い時間をかけてペルシャから東はシルクロードを経てパキスタンへ、中国へ。西はトルコへと無限の神秘を広めていく。三千年とも五千年とも言われるオリエンタル絨毯。そこには、まさに、長い砂漠の芸術が息づいている。